芝居とプロレスと落語の融合!「バトスカフェ 〜本寸法〜」を見てきた
芝居と落語とプロレスの融合!想像以上に楽しかったスポーツエンターテイメント!2015年10月4日(日)板橋グリーンホールで行われたプロレス『バトスカフェ 〜本寸法〜』を見てきました。
この記事の目次
草プロ、インディーズ、様々に見続けたプロレス
今年の1月に初めてプロレスを見てから、すっかりその面白さにはまり、気付けばずいぶんと足を運んでいました。きっかけは応援している東京都葛飾区のご当地ヒーロー「ゼロング」。アマチュアプロレス団体「W.I.N」の興行から誕生したヒーローで、スーツアクターさん達がレスラーという特徴があります。
かっこいいアクションショーを見るにつれ、ぜひプロレスラーの姿も見てみたいと、W.I.Nを初めてに、秋葉原プロレス、RAW、(め)組、花鳥風月と、ゼロングさん達が関係する団体から見ていきました。
そして、魔界錬闘会、新宿二丁目プロレス、リアルジャパン、佐野魂、ガッツワールド、YMZ、COMBO……と、気になった選手を追いかけるままに、様々に。
バトスカフェにたどり着く
そして辿り着いたのが「バトスカフェ」。女子プロレスラーの唯我選手が率いる団体です。
初めて見たのは6月14日の「バトスカフェ2015 バトルスフィア祭り ~唯我が辿ってきた道~」でした。「新宿二丁目プロレス」で見た怨霊選手、宮本裕向選手、山田太郎選手、忍選手が出る!と軽い気持ちで見に行きました。
プロレス興行での落語に驚く
何も前情報なく行ったのですが、まずいきなり唯我選手がお着物で出てきて落語を始めたことにビックリ。そしてお師匠さんの噺家さんが続き、久しぶりに生の落語を楽しみました。
なぜプロレス興行で落語?と思いましたが、ライブで行われる「話芸」の魅力は、ある意味「ボディトーク」だと思うプロレスと通ずるものがあるなと。まだ勉強中という唯我選手も堂々としたもので、師匠の三笑亭可龍はさすがの腕前、瀧川鯉朝師匠の創作落語はまさかのサゲに大爆笑しました。
お客様も皆笑顔。すごく良い雰囲気です。そして会場が暖まったところで個性豊かな選手の試合が始まり、「ああ、日曜日に面白い物を見たなぁ」と、とても充実感がありました。
20人掛けの1分勝負に驚く
この日の最後は、唯我選手が20人の選手と1分勝負をするという物でした。興行のタイトルにある「~唯我が辿ってきた道~」が示すように、唯我選手の15年の選手歴に関係の深い方々、全員とやりたいという趣向のようでした。
え?一人で20人と戦うの?とはいえ、女性選手だし、最後の演出のひとつなのかな……なんて思いながら見始めたら、とんでもありませんでした。
コミカルな選手とのユニークなからみもある中、もうフラフラな唯我選手に、何人もの選手がエグい攻めを容赦なくぶつけていきます。女性だし、などと思ってた数分前の自分が恥ずかしくなる、どの選手も、唯我選手の挑戦へのリスペクトを感じるファイトばかりでした。
まだプロレスを見て日の浅い私には、テクニカルなことはわかりませんが、この方、女子とかインディーズとかではなく、とにかく本物の「プロレスラー」なんだと、そのガッツと、お客様を楽しませたいという心意気に、とても感動しました。
これが、私が初めて見たプロレスラー「唯我」選手と「バトスカフェ」でした。
2015年10月4日「バトスカフェ 〜本寸法〜」
この日の板橋グリーンホール、お昼は「COMBO外伝 VI」が行われ、こちらも「(め)組」で見たSAKURA選手、「ガッツワールド」で見たいぶし銀の松崎和彦選手、初めて見れた山本SAN選手と、ヘビーな見応えあるカードが続き、とても楽しかったです。
そして夕方からが「バトスカフェ」と、一日プロレス漬けで充実した日曜日でした。会場には飲食ブースがあり、試合後にCOMBOの参加選手と交流できたり、次のバトスカフェまでくつろげたのも、とても良かったです。
今回は「芝居と試合と落語」
前回のバトスカフェがとても楽しかったので、期待して行きましたが、なんと今回は選手がお芝居をすると。
「芝居とロックとプロレス」という「魔界錬闘会」を見た時にも、こういう演出も面白い物だなと思いましたが、バトスカフェは「落語」ってところが“らしい”なとw
でもまさか噺家さんが試合するわけないし、お着物でリングに上がるのかな?いったいどんな演出なんだろう……とワクワクしながらも想像がつきませんでした。
タイトルにある「本寸法」は、落語の言葉ですよね。本道、本格派、お手本どおり、といった意味だけど、はてさて。
そして始まった「バトスカフェ 〜本寸法〜」は、まったく想像の斜め上を行く物でした。とにかく面白かった!!
芝居とプロレス、そして落語の見事な融合
まずはご機嫌うかがいに、唯我選手、三笑亭可龍師匠、桂枝太郎師匠の一席。そして第一試合が始まりましたが、なんと芝居から始まるプロレス、そしてその芝居のストーリーは落語に繋がっていたのです!
第1試合:2vs4ハンディキャップマッチ 〜あるじいさんに花束を〜
ある会社の飲み会の様子から始まりました。へべれけのセクハラ部長がよしえつねお選手(脱ぎ芸最高でした!)、課長に遠藤マメ選手(ゴールドのパンツが立派で凝視できない><)、もう一人の社員に松田慶三選手(ガッツワールドで見てから大ファンに)、そして紅一点のOL役が日向小陽選手。
マッチョボディがスーツを着ているのが大好物wな私にはたまらない画です。さすが芸人さんのセンスあるセクハラキャラで、日向選手をいじるよしえつねお選手。無礼講で盛り上がる飲み会に、バーテンが持ってきた法外なお会計。ボッタクリバーで騙された社員達が怒り狂い、全員が生着替えでシャツを脱ぎ捨てて試合が始まりました!
そこに登場したのが、雫有希選手を連れた、がばいじいちゃん選手。皆にババア呼ばわりされる雫選手のキレ芸がまた素晴らしい!(迫力あって、私大好きなスタイルです)
噂のがばいじいちゃん選手を初めて見ましたが、さすがPSYCHO選手、「魔界錬闘会」で見たお姿とはまったく違いますがw、屈強な松田慶三選手の手をひねってロープをスタスタ歩く姿に爆笑しました。
10/4 板橋グリーンホール「バトスカフェ」、がばいじいちゃん選手が松田慶三選手の手をひねって、そのままロープを伝って歩くのに、素敵すぎてクチぽかーん…慌ててシャッター切った写真でツギハギだけどGIFアニメにしちゃったw pic.twitter.com/UqMUzNEmvT
— 忍苦(星静) (@369shizuka) 2015, 10月 4
見事がばいじいちゃんが勝って、這々の体で逃げる選手たち。そして高座には唯我選手が控えており、始まった演目は「あるじいさんに花束を」。お芝居のストーリーが落語の筋とリンクしていて、オチを落語で聞くという流れだったのです。これは新鮮で面白い!よく練られた演出に唸りました!
板橋グリーンホール「バトスカフェ」超面白かった。落語とお芝居とプロレスの融合。芸達者な選手が繰り広げる上質なスポーツエンターテイメント。面白くて強くて格好いいプロレス。がばいじいちゃん選手をやっと見れた。会場の隅でジッとしてた。 pic.twitter.com/LZneAVRcgM
— 忍苦(星静) (@369shizuka) 2015, 10月 4
第2試合:シングルマッチ 〜狂言マック〜
今度は、マクドナルドの店長にヤマダマンポンド選手、なぜか狂言師の格好をしたアルバイトに趙雲子龍選手。変わり者のバイト店員に、店長のヤマダ選手は手を焼いています。何を諭しても、狂言師のあの調子で受け答えをする趙雲選手(またそれが特徴を捉えてて上手w)。
言ってもわからないなら!というノリで、しびれを切らして試合が始まりました。趙雲選手が狂言師のように片手をピンと伸ばしたまま、リングを四角くすり足で逃げる様子に爆笑w
ヤマダマンポンド選手が店長の貫禄でねじ伏せて、始まった落語が三笑亭可龍師匠の創作落語「狂言マック」。狂言師をあきらめてバイトを始めたというヘンテコなキャラにかき回されるマックが舞台のお噺でした。
さっきまでリングで強烈な狂言師キャラを演じた趙雲子龍選手が映像として目に浮かび、落語が倍面白い。これはすごい発見でした!
第3試合:シングルマッチ 〜河童の手〜
「(め)組」や「佐野魂」で見たタコ乳頭選手と、先日の「ガッツワールド」で新井健一郎選手とタッグ戦で第10代王者のベルトを勝ち取った翔太選手。
コーナーポストの上に、上手に寝転がる二人。タコ乳頭選手はお馴染みの真っ赤なボディで「タコ」の役。翔太選手は鮮やかなグリーンのスパッツで「カッパ」の役。
でも「先の試合は衣装も凝ってたのに、俺たちはいつも通りで手抜かれてない?」とボヤキ漫才から始まります。
そこへ、ツアーガイド風な加藤まこと選手に連れられてやってきたのは、河童の手を狩りに来た小仲=ペールワン選手。キュウリを手に、河童を捕獲しようとします。捕まってなるものかと暴れる翔太選手と試合が始まりました。
小仲=ペールワン選手は「(め)組」や「新宿二丁目プロレス」、「佐野魂」で見てから、強烈な白塗りキャラに大ファンになりました。その妖怪キャラと、カラッと明るくポップなアメリカンプロレスが信条の翔太選手、まったく真逆のお二人が最高です。
今乗りに乗ってる翔太選手と、大変技術力が高いとお見受けする小仲選手、プロレスの試合としても見応えがありました。
そして始まった落語は桂枝太郎師匠で「河童の手」。廻船問屋のとぼけた若旦那が、目利きの才能もないのに、大枚はたいて珍品「河童の手」を買ってしまうというお噺です。
3つの願いが叶うという河童の手を、無駄に使い果たしてしまうサゲなんですが、この噺を聞いて、小仲選手が河童の翔太選手を追いかけ回した理由がわかるわけです。
試合も落語も面白かったですが、私的にはタコ乳頭選手が一度もリングに上がらず勝敗がついてしまい、赤く染めたけど出てきただけ、という立ち位置が最高にキュートでツボでした!! www
唯我選手のセンス
最後の第4試合は「天狗裁き?」と題し、唯我選手とYANAGAWA選手のユニット「S54」と、山田太郎選手とタケシマケンヂ選手とのタッグマッチ。見事、唯我選手が勝ってお開きとなりました。
試合の合間に落語をやる、という前回からはまた違った、スポーツエンターテイメントとして完全に融合したショーを見せてくださった今回。「バトスカフェ」を束ねる唯我選手のセンスに、とても感動しました。
相手との間合いを図りながら、鍛えた技で競い合うプロレスラーさん達は、きっとお芝居のカンも良いだろうと思いましたが、思い通りに素晴らしく、冒頭で「プロの役者じゃなくレスラーなので、芝居部分はご愛嬌で」的なアナウンスがありましたが、大変楽しませていただきました。
前回感じた「ああ、日曜日に面白い物を見たなぁ」が今回も。楽しく笑って、試合に興奮して、見たことのない面白い物を見た新鮮さと満足感。良い一週間だった、また明日からがんばろう!と、グリーンホールを後にしました。
次は12月に新木場で「唯我デビュー15周年」
次回の「バトスカフェ」は、2015年12月9日(水)に東京・新木場1stRINGで「唯我デビュー15周年記念大会」と発表がありました。
こちらは落語も聞けますが、通常の試合形式とのこと。でもすでに決まった選手は、井上京子、怨霊、GENTARO、佐々木貴、宮本裕向、渡辺宏志、佐野直、山本SAN、ジョータ、進祐哉、山田太郎、雫有希、タケシマケンヂ(敬称略)などそうそうたるメンツ!バトル・ニュースに詳しい記事がありました。
バトスカフェが約6年ぶりに新木場進出!唯我デビュー15周年記念大会を12.9新木場で開催決定
唯我選手の15周年祝い、どんなファイトを見せていただけるのか、今から楽しみです。