「トッキュウジャー」と葛飾区ご当地ヒーロー「ゼロング」のショーを見てきました
東京都葛飾区の産業フェアで『烈車戦隊トッキュウジャー』ショーがあると知りました。人生初のヒーローショー観戦、葛飾区のご当地ヒーロー『仮面の守護者ゼロング』も見れるとのことで2度おいしい!と出かけましたが、じつは高いハードルがあって……
この記事の目次
人生初のヒーローショー
仮面ライダーやウルトラマン、スーパー戦隊などの特撮やアニメに、いい歳してはまったBBAです(自虐)。子供の頃から好きでしたが、改めて思い出の昭和作品を見直しています。けしてマニアでもなく、近年の作品に関してはまだ追いつかず、ニワカです。
そんなニワカながらも、備忘録として特撮やアニメのカテゴリーで記事を書いています。よろしければぜひご参照ください。
1日、特撮&アニメイベントな葛飾区。
作品を見るだけでは飽きたらず、イベント等にも顔を出しています。その日もネットを検索していると、東京都葛飾区で行われる「産業フェア」なるイベントに、お客様寄せとしてなのでしょうか、『烈車戦隊トッキュウジャー』ショーがあることを見つけました。テレビから飛び出したヒーローを、ぜひ生で見てみたい!
なんと同じ日の夜には、かつしかシンフォニーヒルズで『松本零士の大宇宙 ギャラクシー・コンサート』があることも知ります。松本零士のマンガ絵を舞台背景に、ゴダイゴのタケカワユキヒデさん、水木一郎さんが松本アニメのテーマソングを歌うというイベントです。生アニキの歌声を聞いてみたい!ゴダイゴの999を!
2014年9月6日の葛飾区は、昼はトッキュウジャー、夜は松本零士って、最強すぎだろ!と興奮し、1日葛飾で遊ぼう!とあいなりました。
夜の部の記事も書きました。よろしければぜひ、合わせてご覧ください。
葛飾区産業フェアのイベントステージ
産業フェアのポスター(指出奈美さん作)
出典:産業フェア公式サイトより
「葛飾区の工業、商業、観光、農業、伝統産業の展示会」だそうで、古くから職人さんや町工場を多く有する葛飾エリアにも興味を持ちました。開催概要はこちら
朝10時からの1回目公演を目指し、ばっちり9時に着きました。会場は葛飾区の東京理科大学葛飾キャンパス。出来たばかりの校舎だそうで、とても立派な大学です。緑も多く、気分の良い場所です。
屋外テントには、地元の飲食ブースが沢山、美味しそうなご当地グルメが並びます。物販ブースも賑やか。ヒーローショーが行われる図書館棟を目指し、会場を散策しました。ところが、この時点でお祭り気分だった私は、
考えが甘かったことを後に知るのです……
『烈車戦隊トッキュウジャー』ショー
図書館棟内にも、フロアに様々な地元企業や団体の展示ブースがありました。葛飾区医師会、J:COM葛飾、葛飾区保健所、葛飾区中小企業診断士会……って、アンタ区民じゃないから関係なくね?ではありますがw、展示は大変興味深く、フムフムと眺めながらノンキに3階のイベントホールまでたどり着くと……
そこはもう、お子さんと親御さんでギッチギチ。入り口から溢れている状態でした。
そうだよね!(汗)葛飾と近隣の小さいお友達、みんな近所にトッキュウジャーが来てくれたら会いたいよね!!(涙)私は、完全に参加の心構えから間違っていたのです。
それでも大人ですから、背伸びすれば頭越しにまだステージが見られます。もちろん子供優先、おばさんはちょっと見られれば充分だよ……と言い訳を(心で)呟きながら、とりあえず開演を待ちました。
ショーがどんな物かは、事前にYouTubeで予習済み。トッキュウジャー本編も何話か見てきました。(日曜朝のあの時間は基本寝てますw)
始まったものの…
いざ開演。進行のお姉さんトーク、そしてさっそくトッキュウジャーが登場。シルクハットの悪役・シャドーラインのクローズ達と軽いジャブをかまします。
すごい!生だ生!……と感動したのもつかの間、ふと周りを見渡してみると、席に座れないでいる子供たちになんとかステージを見せて上げたいと、親御さん達の必死な努力が繰り広げられていたのです。
おじいさんが孫を肩車をしている。ジャンプしながら舞台を見つめる子供。少しでも見える隙間を探そうと、子供の手を引いて右往左往するお母さん。
「ねえ、まだ見たい?見るの?もういいよね?」と子供に聞いているお母さん。もちろん子供は「……見たいっ」と答えます。
私が滑り込んだ後は、もう入場制限もかかっていたようです。背後には運営スタッフに「少しでも見せてもらえないんですか!」と詰め寄るお父さん。
ダメだ、この感じ。アカンやつや……
子供のためにムキになっちゃったお父さんも、もう帰ろうと言ったお母さんも、きっと誰も悪くない。大人な私が子供を差し置いて、ここに陣取っていちゃダメなんだ。
トッキュウジャーは、また来週テレビで会える。人気のショーだと言うのにノンキに出向いた私の判断ミスだし、何よりも子供のジャマをしちゃいかん。
もう、出よう。
そんなわけで、私の人生初ヒーローショー観覧は、開始数分で幕を閉じたのでしたwww
葛飾区ご当地ヒーロー『ゼロング』&ミュージックショー
いやあ、失敗したなぁ……とホールを出ましたが、気持ちを切り替えられたのには理由がありました。今日はもうひとつの目的があったのです。それが葛飾区のご当地ヒーロー『仮面の守護者ゼロング』ショー。当日、Twitterでこんなことを呟いてます。
トッキュウジャーショーからの、ゼロングショーなう。
トッキュウジャーはTVで見れるけど、ローカルヒーローはその土地でしか見れないから貴重。
— 忍苦さん (@369shizuka) 2014, 9月 6
東京だけでも沢山いるんだな、とご当地ヒーローの活動をチェックしていた時に見つけたのがゼロング。アマチュアレスラーさん達だと知り、YouTubeにあるショーの動画で、レスラーならではのキレキレなアクションがかっこいい!と思っていたのです。
詳しくはぜひ、こちらのゼロング公式サイトを。
ご当地ヒーロー【ゼロング】公式サイト 東京都葛飾区の平和はオレが守る!
ゼロングさんに遭遇!
すると、フロアを歩いていた仮面の守護者ゼロングさん(緑)と、ゼロング2号であるゼロングスパークさん(青)に遭遇!思わず
「初めてショーを見ます!今日楽しみにしてきました!」
と声をかけたら、とても気さくにお話してくれました。
調子に乗って写真も撮ってもらいました!恥ずかしいですが……嬉しかったwww 冷静になると、完全に痛いおばさんですが……(自虐2)
@zerong_staff 今日初めてゼロングショーを見ました。レスラーならではのアクション、かっこよかった!写真もありがとうございました。
今度は試合にもおじゃまします。がんばってください! pic.twitter.com/aHHkzZkwUC
— 忍苦さん (@369shizuka) 2014, 9月 6
ゼロングスタッフさんに「トッキュウジャーショーの後ですよね?今、すごい人で諦めて出てきちゃったんです。でもこのままじゃゼロングもいっぱいで見れないですかね?」と、こういうイベントに不慣れな素人丸出し質問をすると、「たぶん、一度引きますから大丈夫ですよw」と安心させてくれました。
でもその時、緑のゼロングさんがキリッと言ったのです。
「今からは、僕達の仲間が集まるから!」と。
やばい!ゼロングさん、かっこいい!
そうだよね、地元に根ざして活動しているご当地ヒーロー、トッキュウジャーや仮面ライダー鎧武と同じように、憧れて応援している小さなお友だちがいっぱいいるんだよね!
じゃあ、楽しみにしてます!と別れ、今度は開演時間のずっと前にホールに戻り、たくさんの子供達と一緒に待機しました。
音楽教室の発表会とコラボ、地元密着のユニークなショー
ばっちり見れたゼロングショーは、ユーモアたっぷりで、とても楽しかったです。一生懸命応援する子供達の顔も見れました。ステージで戦うゼロング達を、真剣な顔で追いかけています。
まずすごかったのが、東京を悪の独立国家にしようと企み、手始めに葛飾区でヤンチャしてる「悪の軍団デスバル」。その大幹部「マッチョ大佐」が、名前以上にマッチョなんです。筋肉スーツじゃない!中の人などいない!!
本日のマッチョ大佐。東京理科大学金町キャンパスにて行われている、葛飾産業フェアに潜入。日本郵便のゆるキャラ、ぽすくま君と。 pic.twitter.com/lkaYzqnCup
— コージィ☆マイケルズ (@kozjimai) 2014, 9月 6
そしてさすがのご当地ヒーロー、ちょいちょいはさむローカルネタが面白い。
マッチョ大佐は「大学の図書館を俺の写真集で埋め尽くしてやる!」と、さすがの会場いじりw
ゼロングと一緒に戦う、インターポールの秘密捜査官「水元まこと」刑事の口癖は「ほりきるぜ!」。葛飾区には都内一大きな自然公園である「水元公園」と、「堀切(ほりきり)」という町名があるんですね。
緑のゼロングさんは、変身前は「四ツ木アオト」として生活している。四つ木も青戸も葛飾区にある町名です。青のスパークさんは「堀切ショウブ」。堀切菖蒲園という、6月にショウブの花が見どころとなる公園があります。こういう地元密着な世界観、たまりません。
当日の様子が、仮面の守護者ゼロングのFacebookページに投稿されていたので引用します。
黄色は仮面の破壊者デスバルゼロングという、偽ゼロングです。緑の本家ゼロングさんや水元刑事がやられています。胸騒ぎのするキャラですね。
さらにこの日のショーは、地元の「四つ木音楽教室」の発表会とのコラボ仕立てでした。オペラやバイオリンの演奏の間に、ゼロング達のストーリーが挟まれます。後半は、キッズ達の演奏が始まろうとしたとたん悪者が出てきて妨害、キッズは一度退散するという凝った作り。面白いですよね。(右下の写真がキッズ達です)
見てください、このアクション!ジャンプ板などないんですよね。ステージにマットが敷いてあったので、何をするのかな?と思っていたら、まんまレスラーの対戦なんですよ。ものすごくかっこいい。
アニマル柄の怪人は、バッファローと猫を掛け合わせたゴールデン☆ニャッファロー。こんなポッチャリ怪人はそう見ないと思うんですが、おデブさんじゃなくて巨漢、存在感がものすごく怖いんです。そして動きもレスラーですからキレッキレ。
動画や画像ではわからなかったのですが、生ゼロングさんは少年のようにコンパクトなシルエットでした。でもこの小柄なゼロングさんが、あんな巨漢に立ち向かって、バッサリと投げ倒しやっつけてくれるんですから、見応えありました。
私は初のヒーローショーなので、その仕組みやセオリーはまだよくわかってないんですが、トークもご自身の声だったんですよね。声優さんがお芝居をされて、アクションを当てるケースも多いと思うんですが(作品の世界観を再現するには、それはアリとは思いますが)、ゼロングさん達はあんなアクションの後にも、乱れることのない肉声が聞け、かっこいいなぁと思いました。鍛え方が違うんでしょうね。
ゼロング達の活躍により、悪の軍団デスバルは退散。葛飾に平和が訪れて、改めてキッズチームの音楽発表会が始まるという構成もナイスでした。子供たちの演奏を堪能して、会場を後にしました。
かっこよかったゼロング、また会いに行きます。
ということで、レスラーならではの魅力が詰まった、迫力あるショーが見られてとても楽しかったです。葛飾区を中心に、様々なイベントに参加されているようなので、また機会があれば見に行きたいと思います。
ゼロングのPVがYouTubeにありました。テーマソングが流れ、アクションシーンも見られます。制作はイイダプロダクション、レスラーのマスク&コスチューム製作をされる職人さんだそう。広島のご当地ヒーローメープルカイザーのマスクも手がけておられます。こちらのプロレスマスク制作の特番もぜひ。
そして2014年10月12日に千葉県で開催される、関東発最大級のご当地ヒーローイベント「2014日本ローカルヒーロー祭」にもゼロングさんが出ます。
千葉のヤツルギはもちろん、茨城のイバライガー、新潟のガッター、沖縄のハルサーエイカー、福岡のキタキュウマンなどなど、そうそうたるメンツが揃います。すっごく行きたいんですがまだ予定が立たず。もし行かれる方がいれば、ぜひゼロングさんもチェックしていただきたいなと。(ヒーロー祭公式サイト内のゼロング紹介ページ)
産業フェアもなかなか
せっかくだからと、残りの展示も楽しんで帰りました。全国から地域PRに来た自治体の出展や、地元の工業や伝統産業の展示が興味深かったです。
個人的にツボだったのは、葛飾区ねじ連合会。昔使っていたネジを切る機械の展示や、実際に小さなネジにミゾを切る体験(最後にはリングを付けたキーホルダーにしてプレゼントしてくれる)が楽しかったです。ねじって、こうやってできているのねと。
東京都鍍金工業組合 葛飾支部は鍍金(メッキ)の技術を解説。あんなにツヤツヤな金属面を作れるのは塗装や研磨では無理、メッキならではだと思うんですが、葉っぱを腐食させ葉脈だけにしたものにメッキを施したアクセサリーを展示していて、繊細でとても美しかった。メッキの凄さを伝えるのにわかりやすい!と思いました。
葛飾アンチモニー会では、金属を溶かして型に入れて成形する鋳造の技術を解説。柔らかなエッジと、金属塊の重厚感は鋳造ならではの魅力でした。アンチモニーって合金素材って意味なんですね。日本で生産しているのは、東京だけなんだそうです。
物が出来る仕組みって楽しいんですよね。お目当てはヒーローショーだったのですが、産業フェアもとても興味深く、出かけてよかったと思いました。
ご当地ヒーローって、身近で楽しいですね
というわけで「トッキュウジャー」ショーは残念な結果に終わったのですが、今度は聖地・東京ドームシティのシアターGロッソに行って見てみます。こちらはチケットを購入しての観覧なので、堂々と席を確保して見れますもんね。
それでも私が一枚買えば、一人行けない子供が出てしまう……と考えると、あまり大きな声で大人が楽しみにしちゃいけないんだとは思いますが……そうだ、子供を連れて行こう!同伴父兄の立場ならよいのではないかと!w
そして、葛飾ご当地ヒーロー「仮面の守護者ゼロング」。僕達の街にもヒーローがいる!という感覚は、子供にとって大変な刺激ではないかと。ローカルヒーローは、あえてB級路線を全うする姿も面白いし、TVヒーローにけして引けをとらないクオリティ高いキャラもいますが、どれもその心意気は、TVで憧れた歴代ヒーロー達に負けない物なんだと思います。
特に「ご当地」と冠したヒーローは、地域で通じる地元ネタに共感できるとさらに面白さが倍。何よりも、身近に感じることができるのは最大の魅力だと思います。
帰りにバス停で金町駅行きを待っていると、ワイルドなグループが通りかかりました。……あ!戦い終わった水元まこと刑事じゃないか!
「ショー、すっごく楽しかったです!」と声をかけたら「ありがとう!」と爽やかなお返事をいただきました。
ん?後ろに続いている、体格の良い人達は……も、もしかして!?ゼロング変身前の姿である「四ツ木アオト」と、スパークの「堀切ショウブ」では!
「ゼ、ゼロング?」と思わず声に出してしまったら、水元刑事がニコッと笑い返してくれました。
そうだよ(*^∀゚)b
でも、君と僕だけの秘密な!
とでも言うように……(脳内解釈w)