日本語、韓国語、中国語が全て同じデザインの書体「Source Han Sans(源ノ角ゴシック)」フォント
明朝体バージョンの「Noto Serif CJK(源ノ明朝)」も公開されました!詳しくはGoogle Developer Japan公式ブログと、AdobeのNoto Serif CJK ページをご覧ください。
Adobeさん太っ腹すなぁ。日本語、韓国語、中国語が全て同じデザインで使える「Source Han Sans」というフォントがリリースされました。しかも無料です。フォント?書体?デジタルの文字のこと、詳しくはわからない…という方に向けて、ちょっと書いてみます。
この記事の目次
この書体のすごいところ
三ヶ国語を同じフォントで表示できる
何がすごいかというと、3つの国の言葉が混在するような書類を作ることがある方は、このフォントを使えば、同じデザインの文字で文章を組むことができるのです。
通常は、韓国語に日本語のフォントを割り当てたら、ハングルが存在しないので、当然文字化けしちゃいますよね。
最近のOSには、韓国語や中国語のフォントも付いてきたりするので、その部分にだけ日本語で選んだフォントのデザインに近い、韓国・中国語フォントを割り当てれば、まあなんとかはなります。
それが、このフォントなら、まったく同じデザインで設計されているので、美しく読みやすい書類が作れるということです。試しに韓国・中国語を混載した文章を組んでみました。(クリックで画像が拡大します)
フォントのウェイト(太さ)も7種類
ゴシック体だけのリリースですが、文字の太さが7種類あるので、このフォントだけで、見出しや本文などと強弱を付けた書類が作れます。(クリックで画像が拡大します)
中国語は、繁体字と簡体字の両方に対応
中国語には、繁体字と簡体字の、形が違う漢字が2種類ありますが、その両方にも対応しています。
その他、メリットいっぱい
文字の設計も、印刷だけではなく、スマホ等の小さな画面でも見やすいように考慮されているそうです。MacとWindowsで使えます。韓国語や中国語には縁のない方には、日本語だけでも美しいフリーフォントとしてありがたいですよね。
Googleと、各国のフォントベンダーが協力したというのも新しいですし、品質の高い書体をフリーで開放されるのがすごいと思いました。(日本のベンダーはイワタです)
詳しくはAdobeのリリースをどうぞ。
窓の杜にもわかりやすいニュース記事がありました。
Macお宝鑑定団のブログにもレポートが。
「Source Han Sans」のインストール方法
使い方の説明を少し書いておきます。
配布にはいくつかの方法(GitHub、Adobe Typekit、Google版「Noto Sans CJK」)が用意されていますが、シンプルなのはこちらのインストールページ「SourceForge」でしょうか。「OTF」とある物をひとつ入れれば、その書体だけで3ヶ国語が使えます。
韓国語、中国語だけと個別に入れたければ、JP(日本)、KR(韓国)、CN(中国)と付いたものを入れれば良いと思います。
「OTC」とある物は、新しいフォントの配布形態で、Mac OS X 10.8以降じゃないと使えません。「OTF」も対応してないソフトがあるので、ご自身の環境で使えるかは、確認してみてください。
他のファイルは説明の類なので、このページにあるものを全て落とす必要はないと思います。(読める方は読んだほうがいいです)
インストール
Macは、解凍した書類をWクリックすると書体見本が開くので、インストールボタンを押せば完了です。
Windowsはあまり詳しくないので説明できませんが、Adobeのページに詳しく書いてあるので、トライしてみてください。
フォントのインストール(Windows 8/7/Vista/XP/2000/ME)
画面の表示名は「源ノ角ゴシック」
ソフトで使う時の表示名は「Source Han Sans」ではなく、和名で「源ノ角ゴシック(読み方:ゲンノカクゴシック)」と出てくるので、インストールしたけど選べない!と慌てないでくださいね。
その「源ノ角ゴシック」だけで、ハングルも中国語も打てるわけです。
言語をまたいだテキストを扱う人には朗報
ということで、海外に向けての文書を作る方や、韓国語や中国語の単語を交えて文書を書く方には、とても便利なフォントだと思います。
Webでは、マシンに入ってない書体は□(四角)の記号に化けてしまっていました。その四角を豆腐と例えるそうです(現象は迷惑だけど、名前はちょっとかわいいw)
Googleは、その豆腐現象が起きないフォントを開発していて(その名も「Noto」No-Tofuということらしいですw)、今回の「Source Han Sans」も、その一環とのことです。
文書作成ソフトや、ブラウザの表示フォントに割り当てたりと、日韓中混じりなテキストを扱う時に、ありがたく使わせていただこうと思います。