大晦日
ここ何年も、ずっと思ってんの。正月なんてさ、31日の23:59から1分過ぎるだけだって。人並な暮らしがしたいと思うけれど、道外れたワープア稼業。相変わらずの根無し草だもん。
子供の頃の、台所で年越し蕎麦の支度をしてる母の背中を思い出したりするとさ、1分過ぎるのを待つ独り暮らす部屋の空気は、なぜあの頃と同じじゃないんだろうと思う。
年末のウキウキした街の気配を感じたり、紅白見たり、初詣とかさ、1分過ぎるだけじゃない「気持ちを切り替えるアクション」はしたほうがいいと思ったね。そういうのがないと、正月なんてただ日をめくるだけなんだ。
お世話になった人が死んじゃった。今日はお葬式に行ってくる。こっちに来てから、ずっと支えてくれた人なんだ。三日前まで一緒にいたんだよ。いつものとおりに別れたのにさ、突然すぎて、がっかりし過ぎて、なんの言葉も出ない。
一休さんが「正月は冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」って言ったんだってね。ほんと、そんなふうに思うよ。だからこそまた一年、残りの日々をどう過ごすかって。めでたいことと、めでたくないことの両方を受け止める覚悟をしながら、マヤ歴の予言が曲解だとわかってホッとしながら、前後賞も睨んで三枚買った年末ジャンボの夢を見ながら。
先輩の皆さん、友達のみんな、何も変わらない2012年だったけれど、気にかけてくれてありがとうございました。現状維持の2013年がやっとの抱負だけれど、まだ冥土までがんばるよ。